むち打ち(14級9号)の逸失利益

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逸失利益とは

 いわゆるむち打ちにより、頚部や腰部等に神経症状が残存し、後遺障害等級として14級9号が認定された場合、逸失利益と呼ばれる損害を請求することが可能です。
 逸失利益とは、後遺障害等によって失われた、将来得られたはずの利益のことをいいます。
 逸失利益は、一般に、(事故前年の年収)×(労働能力喪失率)×(労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数)の計算式により算出されます。

労働能力喪失率

労働能力喪失率の一般論

 労働能力喪失率とは、労働能力の低下の程度を示す比率のことです。
 労働能力喪失率については、労働省労働基準局長通牒(昭32.7.2基発第551号)別表労働能力喪失率表を参考とし、被害者の職業、年齢、性別、後遺症の部位、程度、事故前後の稼働状況等を総合的に判断して具体例にあてはめて評価するものとされています。
 そこで、逸失利益を請求するにあたっては、労働能力喪失率に関し、当該後遺障害による業務等に対する支障や、本人の努力による収入の維持、昇進・昇給・転職等において不利益な取り扱いを受けるおそれ等を具体的に主張することになります。

14級9号の労働能力喪失率

 14級9号の逸失利益については、裁判実務上、上記の労働能力喪失率表に従い、労働能力喪失率を5%と認めることが多いといえます。

労働能力喪失期間

 労働能力喪失期間の原則論

 労働能力喪失期間の始期

 労働能力喪失期間の始期は、症状固定日です。
 ただし、若年の未就労者の場合、労働能力喪失期間の始期は、原則として18歳とし、大学卒業を前提とする場合は大学卒業時とされます。

 労働能力喪失期間の終期

 労働能力喪失期間の終期は、原則として67歳とされます。
 ただし、症状固定時に67歳を超える者の労働能力喪失期間は、原則として、平均余命の2分の1とされます。
 また、症状固定時から67歳までの年数が平均余命の2分の1より短い者の労働能力喪失期間は、原則として、平均余命の2分の1とされます。
 これらは、いずれも原則的な考え方であり、労働能力喪失期間の終期は、被害者本人の職種、地位、健康状態、能力等により、上記の考え方とは異なる判断がなされる場合もあります。

むち打ちにおける労働能力喪失期間(裁判実務)

 むち打ち症の後遺障害について14級9号が認定された場合、裁判実務上、労働能力喪失期間を5年間程度に制限する例が多いということができます。

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