第3級3号認定（四肢不全麻痺等）・6200万円の解決事例

①後遺障害認定のポイント
(1)画像上、胸椎の圧迫骨折に加えて、髄内輝度変化の所見が認められたこと
(2)神経学的所見の推移
から、自覚症状は本件事故の脊髄損傷に起因するものと判断されたこと
(3)四肢の運動機能の障害程度
(4)せき髄症状に随伴するせき柱の障害を含め、総合的に評価されたこと
から、生命維持に必要な身のまわりの処理の動作は可能であるが、障害程度についてせき髄症状のために労務に服することができないものと捉えられたこと
により、第3級3号が認定されました。
　認定のポイントは、
(1)胸椎破裂骨折について、画像により、他覚的に証明されていること
(2)頚髄損傷について、画像により、他覚的に証明されていること
(3)医師が作成した「脊髄症状判定用」の書面において、四肢の運動障害の程度が記載されていたこと
等であると考えます。

②過失割合のポイント
本件はセンターオーバーの事案であり、被害者に過失がないことは明らかな事案でした。

③損害額のポイント
(1)治療費の一部について、保険会社が病院へ支払をしていなかったため、病院から被害者に裁判が提起されましたが、未払いの治療費を損害額として認めた上で病院に直接支払う内容の和解案が提示され、被害者から加害者に対する裁判と同時に解決をすることができました。
(2)将来の介護費について、後遺障害は第3級3号の認定でしたが、脊髄症状判定用の書面及び日常生活状況報告の記載に加えて、リハビリ記録の内容を考慮していただき、一日あたり3500円の将来介護費用を認める和解案を提示していただくことができました。
(3)逸失利益について、労働能力喪失率を100％、労働能力喪失期間を14年とする和解案を提示していただくことができました。
(4)後遺障害慰謝料について、1990万円の和解案を提示していただくことができました。